近年、親世帯と子世帯が近い距離に住む「近居」という暮らし方に注目が集まっています。この暮らし方には具体的な定義があるわけではありませんが、一般的には徒歩・自転車・車・公共交通機関など移動手段を問わず30分以内で移動できる距離に暮らすことを指すケースが多いです。現在、同居ではなく近居を選択する方が増えていますが、近居は育児や介護などのサポートしやすいながらも、食事や生活リズムの違いによるストレスを感じずに済むというメリットがあります。世代が異なる家族が同居すると、食事内容に気を配ったり、起床や就寝、入浴などの生活リズムが違ったりすることで互いにストレスを感じやすいという側面があります。

特に、子世帯が共働きだと、親世帯との生活リズムに大きな差が生まれやすいものの、近居であれば必要なときだけ顔を合わせることができるので、余計なストレスを感じずに気軽に生活することが可能です。また、インテリアの嗜好を合わせずに済んだり、ペットの飼育をそれぞれの世帯で判断できたりするのも魅力です。住み替えがしやすいというメリットもあります。二世帯住宅は、子世帯の転勤や転職、親世帯の施設への入居や亡くなった場合に、今後どのように暮らしていくのかが問題になりがちです。

特に、完全同居型や共用型の二世帯住宅の場合、空いた部屋を活用しにくいという側面があり、売却する場合も需要が低いため中々売れないというケースも少なくありません。しかし、近居であればそれぞれの判断で住み替えることができます。